中国・貴州省興義市


 中国の東南部、貴州省興義市に行った。日本からの
直通便はない。今回は上海、昆明経由であとは陸路を
ジ−プで行く。8時間乗りっぱなしの強行軍となった。

 上海のから昆明までは長江の上を飛ぶ、各所で大氾
濫している長江の様子が見られた。現地に滞在中、テ
レビでは洪水の状況を連日放映していたが、飛行機の
上からでも、その凄まじさは実感できた。水の上に孤
立した集落が見え、長江は満腹の蛇のように腹を膨ら
ませてのたうっていた。


 雲南の省都、昆明は人口300万人の大都会だ、中国の他の都
市と同じように建設ラッシュの町の中では、30階を越す超高層
のビルがあちらこちらに建設されつつあった。そして町は、スモッ
グで霞んでいた。スモッグの原因は整備不良の車両の排ガスと工
場や炊事に使う練炭や石炭の煙によるもののようだった。外に一
日いると、目や喉がおかしくなってくる。昭和30〜40年代の
日本の有様を思い出した。四日市喘息、隅田川の硫化水素、牛込
柳町の光化学スモッグ、川崎病 etc......煤塵公害の被害
状況を思い出した。

 中国は今、猛烈な勢いで成長している。公害対策より経済成長
を急ぐことが国家と国民の使命であるかのように..日本が歩い
た道を同じように辿るが、歩くより「走る」という印象が強い勢
いで....

 中国の建築ラッシュは壁の仕上げ材としての生石灰の需要を呼
ぶ。雲南や貴州は広大な石灰台地なので生石灰の原料には事欠か
ない。その上、質は悪いが、石炭も露天掘り様態で、いくらでも
ある。石灰岩で円形の大きな瓦焼き釜のような物を造り、石炭と
石灰岩を一緒に詰め込んで蒸し焼きにする。釜から立ち上がる白
い煙は強い硫黄の匂いがする。上部は砂で蓋をする。その蓋は凝
集した硫黄で黄色く変色してくる。



 昆明から東に約300km、途中に石灰石が林立して正に石の林
と見える景勝地、石林を通る。南盤江(廣州の珠江の上流)の流
域の山の中をアップダウンを繰り返しながらひたすら東に向かう。
次第に高度は下がって、標高1200mくらいのところが目的地
興義市だ、貴州省の西南の隅で、少数民族、苗(ミャオ)族や
布依(プイ)族などの自治州にある。

 この地域は石灰岩の台地に山がニョキニョキとタケノコのように
生えてきたような景色だが、この山の中には深いド−リ−ネが隠れ
ていて、その井戸の底のようなところに大きさに合わせた集落があ
る。隣の集落は隣のドリ−ネの中にあるから、一寸お隣に行くにも
200mものアップダウンが必要である。...続く...

 ドリ−ネの内部 
 

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