
21〜22日、今年も中央アルプス駒ヶ岳に登った。
13時少し過ぎに千畳敷に立った。急にガスが上がって
宝剣が姿を表す。ガスが目まぐるしく流れるが、天気はこ
れ以上悪くなるとは思えない。下山してくる登山者はヤッケ
を着ている。ザックにはカバ−をかけて完全装備だ。
きっと稜線は雨だったのだろう。聞くともなく聞いていると
今朝はずっと雨だったらしい。これから登ろうとする我々
は半袖Tシャツだからずいぶん対照的だ。
再びガスってきた千畳敷をゆっくりと登る。あまり汗は出
ないけれど気圧が低いらしく心臓がドキドキしている。
高山植物はあまり詳しくないが、トリカブトのムラサキの
花が実に美しかった。

13:50浄土乗越に到着。我々の少し前に登った2〜30
人の団体がいた。どこかの旅行会社のツア−らしい。
数人が右の稜線に歩き始める。「先に行くよ〜」と声を掛け
ているが、大多数の人は反応していない。え?そっちは北御
所尾根だぞ?大声で「下山するんですか〜〜」と私は聞いた。
「宝剣小屋に行くんですよ」どうも引率者(先生と言っていた)
が先行して歩いているらしい。「おいおい、大丈夫かな?」
昔はこんなに多い集団登山は宗教登山くらいっだったろう。
最近は中高年登山が盛んでこんなツア−が沢山あるようだ。
何か問題が起こったとき、こんな大人数では統率できないん
じゃないだろうか?大人数の登山にはなじめないな〜〜〜。
ガスはそんなに濃くないが、浄土乗越からは宝剣小屋はおろか
手前の作業小屋さえ見えない。Tシャツ1枚ではちょっと寒い
ので長袖シャツを着込んで、とりあえずゆっくりと歩き始める。
中岳の登りは視界が2〜30m。登山道を間違えることはない。
中岳を下り始めると、頂上小屋の発電機のエンジンの音が聞え
始めた。昨年と同じく木曽駒直下のキャンプサイトに到着した
のは3時少し過ぎ、駒も中岳もガスの中だ。今日は天気は悪く
ならないという予測はあるものの念のためテントの上からフ
ライの替わりにポンチョを被せる。西側を深く覆ったら、
東側にはほとんど被らなかった。まあ良い、少しは役に立
つだろう。周囲を見回すと少し離れた所に3人用のテントが
一つポツンと有るだけだった。今夜はきっと2パ−テ−のみ
だろう。ここの使用料は1200円でトイレと水が使える。

昨年と同じく6時を廻る頃、急にガスが上がった。稜線に出
て木曽側を眺めるが、谷には雲が詰まっている。そして、中
岳から宝剣、空木岳、南駒までシルエットが浮かび上がった
のはほんのチョットの間だけだった。
日が落ちて段々暗くなる頃、天頂あたりから星が瞬き始めた。
そして暗さが増すに従って、満天の星空となっていった。
去年と同じだ。銀河が北東から南西に流れ、ほぼ天中に掛かる。
夕食はまずフカヒレス−プから始まった。酒は菊正宗、辛口だ。
気温は16度C、夜が更けるに従って徐々に下がっているよ
うだが、食事はス−プから鍋に変わった。野菜が多めの肉鍋と
合鴨の薫製が酒に良く合う。テントから首を出して、満天の星
を肴に、浮き世の憂さを暫し忘れる。しかし、小屋泊まりの
人も、隣のテントの人もこの星空に全く気が付いていないようだ。
朝、4:30、もそもそと起きだす。外を見ると、東の空はほん
のりと紅に染まっている。気温は12度C、防寒装備を付けて
木曽駒頂上に向かう。先行しているのは1人のみのようだ。

西側の木曽の谷ではガスが急速に動いている。雲が稜線に貼り付いて
乗っ越して行く。滝雲と言うのだろうか....?? 右は御岳山
頂上で東の空が明るくなるのを待っているうちに、頂上には10
数人の登山者が集まってきた。2000m以上の山は雲海の上に
頭を出している。御岳・乗鞍・焼岳そして穂高以北は山頂に厚い
雲が掛かっている。八ヶ岳連峰は天狗岳以北は雲海に沈んでいる。
鋸・甲斐駒・千丈・北岳・間の岳・農鳥そして富士山・塩見・・・・
・・・の南アルプス。

5:12太陽が雲の上に出た。後で東京の日の出をチェックすると
5:06となっていた。太陽が上がるにつれて南アルプスのシルエット
は雲の上ではっきりしてきた。今日はいい天気になりそうである。


木曽駒頂上から東に向かって降りる。太陽に向かってゆっくりと降りて
キャンプサイトと同じ標高あたりからトラバ−スして帰る。これから
朝飯だ。コ−ヒ−を入れてから昨夜の鍋の残りに切り餅を放り込む。
朝食が終わるころには雲海はすっかり消えて、駒ヶ根の町がよく見える。
ちょっと残っていた酒も腹に片づける。8:15出発、中岳を西から
巻くル−トを行く。途中、三の沢にスパ−と落ちる岩場を抜ける。
中岳の上に渦巻くようなスジ雲が東に向かって流れる。
宝剣山荘で8:35、宝剣は空身で往復するつもりだったが、良い天気
なので極楽平まで縦走することにした。荷が大きいので慎重を要する。
荷が岩に当たって、体が振られないように荷の調整を行う。
宝剣頂上直下で後続の6人ほどのパ−テイ−に先行してもらう。また、
下降してくる3人パ−ティ−を待つ。彼らは空身なので割合スム−ズに
入れ違った。頂上は狭いので3人くらいしか立てないので我々は少し下
がって荷を降ろした。

陽が高くなるに連れてまた急速にガスが生まれ始めた。
鎖場のアップダウンを数回繰り返して極楽平に10:15に到着、後続の
登山者グル−プを先にやったり、対向グル−プ待ちをしたりであったが
ずいぶん時間を掛けた。20分ほど休憩して紅茶を入れる。
11:00ロ−プウエ−駅に到着。12:10の定期バスでバスセンタ−
に行く。13:00のバスに間に合ったが15:00のバスを予約して
少し町を歩いてみる。町には観光客らしい姿は全くない。
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