明治の町大磯

今の大磯は西湘バイパスが浜辺と町を切り離してしまってい
る。そのため、町から見る海は西湘バイパスに浜辺を隠され
てしまて、見る影もない。しかし、浜辺に出て見れば、その
景色は少しも変わっていないように見える。身の回りを見回
せば昔の面影はどこにもないように見えるが、遠くにみえる
房総半島も大島も箱根の山も何も変わっていない。

 ひっそりと佇む鴫立庵の茅葺き屋根も300年の歴史をそ
のまま残していて、ふっと立ち寄ると、出来もしない俳句が
急に浮かんで来たりもする。

大磯駅の裏はすぐ山が迫る。この山には昔から立派なお屋敷
が建てられている。大磯は日本ではじめて海水浴場が開かれ
た場所でもある。東海道線が開通以後、明治の元勲たちは争っ
て、大磯に別荘を持ったという。東京から来て、相模川を渡
るとすぐに山が迫ってくる。小さな山だが海に迫っているた
めに、大磯の町から先、箱根までは大きな平地はない。その
かわりこの地は北からの風もなく、南の海は大きく開き、房
総半島から伊豆諸島そして伊豆半島から箱根山が一望のもの
となる。

箱根 丹沢

背後の山は最高点で標高181m程度なのでゆっくり登っても1時間もかから
ない。ここら見れば眺望は360度となる。東の眼下に平塚の町が広がり、大
山から始まる丹沢山系がはっきりとした稜線を見せている。ゆっくりと頭を西
に回せば、道志山系の上に巨大な富士山の姿がある。そしてさらに南西に目を
やれば、金時山から始まる箱根連山に連なる。気候温暖で風光明媚、海の日射
しは健康には最高という願ってもない条件が、大磯町の発展に大きく寄与して
きたことは間違いない。

大磯駅の背後の山に登る道は急勾配の細いつづら折れの道だ。
急勾配の斜面に大きな屋敷が貼り付くように建っている。車
時代から取り残されたような細い道路は車のすれ違いどころ
か、切り返さないと曲がれない「曲がり角」もある。駅から
歩いて登らなければならない環境は今の年寄りには辛いかな?

しかし、毎日この山道を歩いていれば相当健康によいことは
確かだ。この山の山腹には古墳時代からの横穴墓が点々と残っ
ていることから見ても、この地域には古代からずっと住み良
い所だったのだろう。


これはなんだ!!

頂上には展望台付きの電波塔がある。この展望台は
危険防止のためだろうが、鳥かご状態になってぐる
り金網に囲まれている。ここにカギがぶら下がって
いる。全体で幾つあるか全くわからないほど鈴なり
のカギだ。「ほなみ&とおる」などとマジック
ペンで書いてある。
きっと若いカップルのオマジナイなのであろう。そ
れにしてもすさまじい数のカギ、カギ、カギ...


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